国登録有形文化財
国道430号線沿いで、瀬戸内海を一望出来る場所に「梅荘」はあります。
梅荘は、塩田王として有名な野﨑武左衛門(のざきぶざえもん)の、孫である武吉郎(ぶきちろう)が、日露戦勝記念として建てた別荘で、当初は野﨑家の海水浴場の休憩所として計画されました。
本館を中心に、北側に別館、西側に離れ、東側に女中部屋と台所、北東側に蔵を配置した5つの建物からなり、明治40年(1907年)に竣工され、建築に際しては大工を京都から呼び、築庭家の久我少年(くがしょうねん)が監督し、2年余りを要して完成しました。庭に梅の木が多くあったことから、梅荘と呼ばれるようになりました。
平成27年に国登録有形文化財(建造物)に登録されました。
建築物の特徴
煎茶室を付属した座敷をもつ本館や、煎茶趣味の離れは、近代における座敷の発達の特徴を示しており貴重なものです。特に離れは、梅鉢形や半月形、火灯形の窓をもつ、独創的な意匠となっています。軒廻りの柱などには、細めの自然木や面皮材(めんかわざい)を用い、建物内部では、床柱に杉の四方柾(しほうまさ)を用いています。天井には、屋久杉を張った竿縁天井(さおぶちてんじょう)を主に、部分的には、杉六角ナグリ竿ヨシズ天井、黒漆塗竿桐柾天井(くろうるしぬりさおきりまさてんじょう)とするなど、それぞれに特徴のある仕上げとなっています。木材の選定、木割、大工技術の巧みさなど、大変細やかで優秀な建物といわれています。
現在は個人所有者によって、平成16年より、うどんを中心とした食事を提供しながら一般の方々に無料で入館いただき、往時の雰囲気を堪能いただいています。
(2023.03更新)
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